美術館散策~SMK編~
SMK(Statens Museum for Kunst) -The National Gallery of Denmark に行ってきた。
入り口は回転式ドア。
デンマーク(に限らないかも?)は結構この回転式ドアを導入している施設が多い。
今や日本では事故が原因で絶滅危惧種となったが。
チケットを購入すると、チケットではなく写真のようなシールを渡される。
なるほど日付が印字されている。
このシールを見える位置に貼って巡れということらしい。
実際に確かめたわけではないが、恐らくこのシールさえなくさなければその日一日は出入り自由なのだろう。
館内には至る所に係員もしくは学芸員がいて目を光らせている(気のせいかもしれないがとても視線を感じた)。
私は何も知らずリュックを背負って展示室に入ってしまい、係員にロッカーに荷物を預けるよう指摘された。ロッカーは地下にあるのだが、ここで私は大きなミスを犯す。
ロッカーは自分で暗証番号4桁(数字は0~9)を設定して使う無料のタイプ。ちゃんと英語でも使い方が明記されているのだが、そこに書かれていない重要な注意点が存在する。私は深く考えずに使用して痛い目に遭った。
よく観察すればわかるが、定期的(10秒おきくらい)に赤いランプが点灯するのだ。でもって、番号を入力するとその度に青いランプが点灯する。
ここまでで勘のいい人ならすぐに気づくだろう。
この赤いランプが点灯すると全ての入力がリセットされるのだ。
最初に暗証番号を設定する際には、一度赤いランプが点灯した後かつ次に赤いランプが点灯する前に全て入力し終えないといけない。
私はどうも、番号を設定する際に途中で赤いランプが点灯してしまったらしい。それに気づかず、ロック設定が終わったと勘違いした。
しかもその後すぐ、一応その番号で開くかどうかすぐに試してしまった…と思うのだがその辺りからあまり記憶がない。
仕組みに気づいた後で色々試したが、そもそもどの番号で登録されたのかも不明だし、設定の際に間違えて見当違いの番号を押してしまった可能性も否定できない。
さて困った。
1万通り全て試すのはさすがに勘弁してほしい。
とりあえず自分の思っている番号の組み合わせ(番号がズレた可能性が一番高いと思った)を全て試してみたがどれもダメ。
……
愚かなことこの上ないが、仕方ないので係員に相談することにした。
係員のおじさんに状況を説明したところ、ロッカー自体の場所はわかるか?と聞かれ、その場所までついてきてもらった。このロッカーだと伝えると、何やらボタンを押して、いとも簡単にロッカーを開けてしまった。
まじか!!!
心から感謝した。こういうときの幸福感、プラマイゼロなんだけど絶大だよね。
いやあもっとすぐ相談すればよかった。おじさんの落ち着きぶりから判断するに、こういうトラブルは少なくないのかもしれない。いや、そんな馬鹿な人はいないか...。
それにしても、係員はすべてのロッカーを開けられるということになるがそれは……?
気を取り直して、今度はちゃんと番号を設定して荷物を預け、再び展示室へ。
なんと驚くべきことに、どこでも写真撮影OKらしい。しかもフラッシュもOKと言われた。
というわけで展示室内の写真の一部を載せておく。
これらの写真はあくまで一部なので、
常設展示と特別展示を合わせると、展示内容がとても多い。
そして4か月ほどの特別展示のために毎回こんなパンフレットを作っているのか...すげえ...。
今回 (2019/08/24~2019/12/08) の特別展示は19世紀デンマーク黄金時代の画家(Christen Købkeら)の絵画がメインだった。風景画や肖像画などの油絵で、いずれも非常に緻密に丁寧に描きこまれた作品が多い印象。
常設展示は、ヨーロッパの画家(1300~1800年代)、デンマークおよび北欧の画家(1750~1900年代)、フランスの画家(1900~1930年代)、デンマークを含む国際的な画家(20世紀以降現代まで)の作品。膨大な作品数である。
近世から現代アートまで全部ちゃんと見てまわるなら、一日かかる。18時まで開館しているのはありがたい。
常設展示の方はあまり人気がないのか、過疎化していた。混雑しすぎて作品ではなく人の頭を見にきているのかと思うような美術館や特別展示も少なくない日本の事情を考えると、なんて理想的な空間なんだ…素晴らしい…美術館はかくあるべき。
それにしても贅沢なひとときだった。
ちなみに作品展示室以外の広間はこんな感じ。
実はこのラスボス、中に入ることができる。
SMKにはショップとカフェが入っている。カフェすらも外の光が差し込むお洒落な空間だったが、今回は利用していない。
最後にショップでポストカードなどを購入し、SMKを堪能した。
しかし、ほかにも行きたい美術館は博物館はまだまだある。
今回はここらへんで。
それではまた...。